年収も低い(年収380万円)、資産もない、弱小サラリーマンの私が1億円近いアパートを購入することができました。
アパート価格9,500万円、うち金融機関からの融資額は9,000万円。
ダメもとで契約して、金融機関に融資申し込みをしたら通ってしまったという。。。
S銀行の一件以来、収益物件への融資に厳しくなってきたこのご時世に年収の低い私がアパートが購入できるとは思いませんでした。
やってみるものですね。
今回、アパート購入までの流れを備忘録的にまとめてみました。
この記事を読まれた方の参考になれば幸いです。
1.年収が低くてもアパートが購入できたポイント
今回購入した物件は担保価値はそれほど高くありません。それでも購入できたのは下記のことがポイントだと思います。
- 保証人を付けて収入を増やす
- 保証人の資産をアピールする
- 親から金銭を借入し、資金を大きく見せる
- 収益性をアピールする
2.私(弱小サラリーマン)のスペック
- 前年度年収380万円
- 正社員
- 貯金200万円
- 貯金以外の資産ナシ
- アラフォー2児の子持ち
- 妻は専業主婦なので世帯収入=私の収入のみ
国税庁の平成29年分民間給与実態統計調査結果によれば男性正社員の年収は約540万円。
これからすると、年収が380万円というのは低い方です。
3.物件との出会い
物件との出会いはネット検索でした。やっぱりネットは役に立ちます。
購入物件に出会うまでの1年間は不動産ポータルサイトでほぼ毎日1回、収益物件を検索する日々が続いていました。
物件探しに夢中になっていたときは
会社に着いたらスマホチェック。
お昼休みにスマホチェック。
夕方会社帰りにスマホチェック。
就寝前にスマホチェック。
という徹底ぶり。
良さそうな物件があれば週末はもちろん、出勤前に物件下見をすることもありました。
そんなこんなでようやく採算ラインに乗ってくる物件を発見。
しかし高い!い、いちおく!一億ですよ、先生。。。
利回りは悪くないけど、肝心の担保評価が低い、こりゃだめだ><
こんなお金年収の低い私には無理むり絶対むり、と思っていましたが、上述したように融資が通ってしまいました。
4.購入までの記録
①詳細資料取り寄せ
まず、ネットから概要書を出力し、電卓とエクセルで採算計算。採算ベースに乗ることを確認。
次に、電話にて売主業者へ詳細を問い合わせ。まずは法令上の問題のないかを確認。
私「利回りが高いのですが、容積率オーバーの物件ですか?」
売主業者「建築基準法やその他法令上、特に問題はないですよ」
建築基準法等の法令上に問題のある物件だと融資が受けられないのでまず最初に確認しました。
そしてメールにて収入一覧表、各種図面、建物登記簿、土地登記簿を送ってもらいました。
②物件下見
自宅から車で2時間の距離ですが、売買契約まで4回下見しています。もちろん下見前にグーグルマップで周辺状況を確認済み。
1回目は子ども達と3人でこっそり下見。妻には内緒。
2回目は売主業者と父と3人で現地確認。売主業者にあれこれ質問し、土地境界も確認しました。
3回目は母を連れて2人で下見。
4回目は妻と子ども達を連れて4人で下見。
母は物件の階段が汚れているので入居者の属性が悪い可能性がある、購入するなら覚悟が必要だよ、との女性目線ならではの意見をいただきました。
こっそり集合ポストを覗くと裁判所からのお手紙が入っているお部屋が。。。
う~ん、入居者トラブルに巻き込まれる予感。
結局悩んだ挙句、とりあえず金融機関に融資の相談に行くことにしました。
③融資仮審査
とある地元の金融機関に電話して融資の相談をしたい旨を伝えました。
以前、別の物件で融資の相談をしたことがあったので話がスムーズ。
このとき提出した書類はこんな感じ。
- 物件概要書
- 土地、建物の登記簿
- 位置図(道路マップのコピー)
- 確定申告書3期分
- 運転免許証の写し
- 個人情報なんたらの書類
- 履歴書
- 収支計算書
- などなど
約2週間後、仮審査が通過したとの連絡がありました。実際に現地に行ったので回答まで時間がかかったとのこと。
このときの条件は物件1億に対し、9,500万円まで貸し付ける、ただし収入のある保証人を1人付けること。また万が一本店決済が下りなかった時のためにローン特約は付けてね、というもの。
つまり絶対条件は保証人と頭金500万円。
さすがにフルローンは無理でした。ただ、このご時世に頭金500でいいとは何と好条件!
早速保証人探しに勤しみました。
④保証人探し
父に保証人の件で相談。収支を数字で示し、継続的に返済できそうであることを力説。難なくOK。以前からアパート購入の件で相談しておいてよかった^^
⑤頭金の工面
さて、問題の頭金500万円。手元にありません。ここは父と母を頼るしかない、ということで早速相談。
父、母から住宅ローン並みの金利で借りることで話がまとまりました。
グーグル先生の力を借りて金銭消費貸借契約書が完成。売買契約後に頭金を用意してくれることになりました。
保証人、頭金問題も解決し、売主業者へ電話し、交渉に入りました。
⑥価格交渉
- 土地実勢価格および建築単価から積算価格を算出
- 売主業者の物件購入価格推定
- 負荷をかけた採算計算
- 周辺の状況確認(売買物件、賃貸物件、街並み、人口推移、都市計画など)
これらをベースに価格交渉し、当初売買価格1億円でしたが、500万円値引きしてもらい、9,500万円で落ち着きました。
⑦売買契約締結
売買契約に際し用意したもの
- 手付金
- 印鑑
- 印紙
契約日前日、金融機関窓口にて手付金の200万円を下ろしました。
帯付きの100万円札、持っているだけでワクワクします。
大金の200万円。家に帰りつくまで落としたり盗まれたりしないかビクビクしていました。
そして翌日。郵便局で印紙を購入し、売主業者の事務所にお邪魔しました。
とても丁寧に説明を受け、2時間かけて売買契約を結びました。
⑧両親との金銭消費貸借締結
父、母から頭金を借りるため、金銭消費貸借契約を結びました。
返済計画表も作成し、無事に契約締結。もちろんちゃんと印紙も貼付しました。
⑨融資本審査申込み
本審査に必要なもの。たくさんありました。けっこう集めるのに大変。役所、税務署、法務局、あちこち回りました。
- 借入申込書
- 印鑑証明書
- 資産評価証明書(資産がなければ無資産証明書)
- 住民票
- 登記簿、公図
- 売買契約書の写し
- 納税証明書
- 家賃収入明細書
- 太陽光売電収入明細書
- 保証人の免許証の写し
- 金融資産の一覧表(保証人資産も含める)
- などなど
決済をできるだけ早くしたかったので、売買契約締結前に売買契約書以外の書類は事前に集めておきました。そして契約の日の当日中に上記書類を提出。
金融機関担当者いわく、
「本店決済が下りたら融資できる」
「本店決済には通常3週間。混んでいる場合は4週間かかる」
と話していました。
さらに、金利交渉をがんばるから口座に頭金分の現金を入れておいてくれないか?とのことで、慌ててお金を工面して入れておきました。
本審査申込から2週間後、金融機関から電話が!
融資承認のお知らせかな?と思ったら残念。本店からの質問があったとのことで金融機関担当者と再面談しました。そのときの質問事項はこちら。
- 周辺の土地の相場、建物相場について
- 周辺の賃貸物件の入居状況について
- この物件を購入しようと思った経緯
そして本審査申込から3週間後、金融機関から電話が!!
ついに!?と思いきや、残念。
「収入の面で厳しい。ご希望の元金均等返済は難しい、元利均等返済でお願いできないか。また母が年金をもらっていたら年金収入も合算して収支計算をするので受領していることを証明するものの写しを送ってほしい」とのこと。
こ、これはもしかして却下される?と不安だらけでした。
本審査申込から4週間。金融機関から電話が!!!
「本店決済が下りました!9,000万円融資。金利は当初より若干低くなりました。しかも元金均等返済OKです。」
ドキドキワクワクの1ヶ月間でした^^
⑩決済&引き渡し
<決済日数日前>
決済&引き渡しに先立ち、金融機関にて事前打ち合わせ&手続き行いました。
出席者は、①金融機関担当者、②保証人(父)、③私
- 決済時の段取りの確認
- 金銭消費貸借書の作成
などなど。
お金を金融機関から借り入れする時も金銭消費貸借書を作るんですね。当たり前ですが、なんだか新鮮。
決済日当日は集合時間の30分前に会場である金融機関に来ておくように指示を受けました。
<決済当日>
いよいよこの日がきました。ドキドキワクワクです。
9:30
事前打合せどおり、集合の30分前に到着。金融機関担当者と下記のやり取りを。
- 各種書類の確認と日付の記入
- 印紙貼付、消印
- 融資手数料の支払い
9:55 司法書士到着
- 登記手続きの委任状に記名押印
- 登記原因証明情報に記名押印
- 登記費用の支払い
あれこれしているうちに私の口座への借入金の入金が終わったとの報告が。
通帳を見るとゼロの多さに思わずニヤけました。一瞬だけ大金持ち。1億近い額が私の口座に^^
数十分後には消えると思うと何だかさみしい気持ちになりました。
10:00 売主業者到着
- 精算額の確認
- 払い出し金額を金融機関担当者に指示
今回、精算はこんな感じで対応しました。
- 売買代金:振込
- 固定資産税日割分支払い:現金
- 家賃日割分受取り:現金
受取金額を確認し、領収証を発行・受領しました。
領収証も売主業者に作ってもらっておき、こちらはサインするだけ。楽ちん(ちゃんと金額や記載事項は確認しました)。
10:50
と、ここが決済の前半。すでに頭は飽和状態。
ここからは決済の後半。主役は売主業者。私は立ち会っていないので聞いた話。
13:00頃
今度は売主業者側の金融機関での残債返済手続きと抵当権抹消登記および所有権移転登記手続き開始。
流れはこんな感じらしいです。
・着金確認
・売主業者側の借入金残債の返済
・司法書士が法務局へ登記手続き開始
登記手続きを法務局が受理すると受領証なるものが発行されるそうで、これを金融機関へ提出しなければならないそうな。
これで決済日当日のやりとりは終了。一週間程度で登記が完了するそうな。
いろんな書類が飛び交うので正直めまいがしそうなくらい。頭の中はごちゃごちゃでした。
決済の中での備忘録です↓
備忘録1:振込んだお金は直ぐに反映されない
これ、一般常識かもしれませんが、知りませんでした。
売主業者の口座(金融機関が異なる)に振り込んだお金は、着金まで数十分、最大で2時間程度かかるそうです。
備忘録2:売買代金残金の振込手数料は売主負担
売主業者から教えていただいたのですが、売買代金残金を振込にて入金する場合、振込手数料は売主負担とすることが多いとのこと。
その理由は売買代金の入金方法として振込を選んだのは売主だから、だそうです。
買主が振込手数料の支払いを嫌がって、現金で全額渡されても困るでしょ?だとさ。ふむふむ。
備忘録3:決済日当日に登記簿を再度取り寄せる理由
司法書士さん曰く、
「決済日当日に権利関係のチェックのために登記簿を再度取り寄せる」
「過去に売買契約後に抵当権が追加(借入追加)されていたり、登記手続き中となって登記簿の取り寄せができなかったことがあった」
この場合、いずれも取引中止。2例目の登記手続き中となった件に関しては後日登記簿を取り寄せてみたら差し押さえが入っていたとのこと。
あまりないこととは言え、不動産の取引には用心が必要です。
備忘録4:決済は通常午前中
決済の開始時間は通常午前中に設定されます。送金手続きや登記手続きがあることを考えると納得です。
⑪登記完了
決済日から8日後、司法書士さんが書類を持ってウチにやってきました。
「登記手続きが完了しました!」
「ありがとうございます^^(にんまり)」
登記識別情報や登記簿等の各種書類を確認し、受取証にサイン。
ついに登記簿に私の名前が!
晴れて大家になれた瞬間でした^^
5.終わりに
長かった物件探しも終わり、アパート経営のスタートラインに立つことができました。
今までは借りる側の立場でしたが、これからは貸す側の立場にもなります。
立場が変われば見ることのできる世界も変わります。楽しみです。
ともかくアパート経営を成功させるために、高入居率を維持して黒字を続けるように日々努めなければなりません。
今回の金融機関の融資承認に際し、結局何が一番効果があったかと言えば、やはり保証人(父)の存在だと思います。
融資の相談に伺った際、金融機関の担当者から「頭金は最低でも2割は必要」と言われました。
1億の物件に対して2割なら2千万!そんな金ありません。
保証人(父)を付けることによって収入を合算し、頭金が少なくても返済可能だと判断されて、決済が下りたと思われます。
ようやく物件を持つことができてうれしい半面、高額な返済でビクビクしています^^;
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